トランペットのケースを選ぶ時のポイントとは?
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最終更新日:2014/01/13
トランペットコラム
トランペットにとってケースはとても大事な役割を果たします。
ですので、ケースの種類や選び方の前に、なぜトランペットのケースが大事なのかをお話したいと思います。
金管楽器の中では強い子とは言え、トランペットはとてもデリケートな楽器です。
とは言っても、クラリネットやフルートといった楽器と比べればたいしたことはありませんが…(^-^;
木部が多い楽器は、「外で吹けない」「湿気に弱い」といった意味で非常にデリケートですね練習用に外用の安い物を別途買っている人も少なくありません。
例外的にサックスは、木管楽器と呼ばれながらリード以外はほぼ金属なのでそれなりに耐候性があります。
とは言え、「金管」楽器。
真鍮と銅でできていますから、衝撃や圧力にとても弱いです。
一番もろいところは?
一番もろいところ言えば、ベルです。曲がったりくぼんだりします。出っ張ってるのでしょうがないですね。
また、リードパイプが曲がってバルブに入っていくまでの半円の部分。よく腕にぶら下げるあそこです。
ここは、実は楽器としてはかなり重要な部分なのですが、ここもよくエクボができてしまいがちなところです。
また、マウスピースをさすレシーバーのところ、ここもよくぶつけられていて、悪いとマウスピースがきっちり入らなかったりすることもあります。これはかなり良くないです。
マウスピースと楽器がガタつくようなものがあったら、早く楽器屋に持っていくことをお勧めします。また、楽器にはかならずきっちり刺さるマウスピースを買ってくださいね。メーカーによって相性があります。
こういった場所のダメージを防ぐには、これはもう言うがやすしなのですが
「とにかく楽器をやさしく扱うこと」
につきます(^-^;
- 楽器を机の上に置くときは、ゆっくり置く、落ちるようなところに置かない、人がたくさん出入りするところに置かない
- なるべくならケースの上にいつも置く、床の上には置かない(合宿など)
- 楽器を持って走らない
- ステージの上では譜面台の下など、触れづらいところに置く
また、付け加えるとしたら
- 家で、スタンドにさしっぱなしにしない(ベルが重力でゆっくり変形します)
- 備品であろうと自分のものであろうと、数万~数十万円のものだということを、忘れない
- 一番管のスライドのストッパーを信じすぎない(笑)
- 満員電車には乗らない(特にソフトケース)
などもあります。
特に、友人などが絡んでくると人間関係も巻き込みます…ご注意を。
一番守らなければいけないところ
それは、とにかくバルブケーシングです。
ベルにしても、リードパイプ周りにしても、つば抜きが戻らなくなったとしても、吹けないことはないです。
ただ、バルブケーシングがダメージを受けてバルブが動かなくなったら、終わりです。
このとき注意していただきたいのは「絶対に無理やり抜こうとしないこと」です。事態が悪化します。
ケーシングの多少のゆがみなら、ひとまず楽器屋さんに持っていけば、使えるような応急処置をしてもらえる可能性があります。
ただ、無理やり引っ張ると、新しいバルブを入れないとどうしようもなくなることが少なからずあります。
事態を悪化させないためにも、楽器屋さんへ!
どんなケースを選んだらいいか
ケースの種類
大まかには以下のものがあります。
- ハードケース
- セミハードケース
- ソフトケース
基本的な選ぶポイント
- とにかく楽器に物理的ダメージがいきづらいか!
- 楽器の中に入れている小物の動き(内部の犯行と私は呼んでいます…)
- そのほか
とにかく楽器に物理的ダメージがいきづらいか
これは単純にダメージの問題です。
例えばぎゅうぎゅうの満員電車の中でも無事でいられるかと。
これはもうハードケースの圧勝です。セミハードケースはこれは何かの規格によって「これこれこの基準を満たしていたらセミハードだよ」と決まっているわけではないので、ものによります。
私が使っていたProtecのシングルケースは硬質ウレタンが中心のセミハードでしたが、とても頑丈でした。 移動可能なクッションが入っていたり、中はいわゆる純正ケースのようなフリーな状態ではなく、トランペットの形にくりぬいてあり、全体で包んでくれるため、多少の衝撃があっても分散されてかなり安心感がありました。
もともと楽器についていた純正のケースですが、これは素材などつくりとしてはいいものが多いです。
ただ、当たり外れがあります。当たり外れを判断するポイントは「楽器を入れたときにがたつかないか」です。
中袋があるものがありますが、あれは取って、その上でケースの中でどれくらい動くか、試してみてください。(実際にケースに入れて振ったりしちゃ駄目ですよ)
そして個人的にはソフトケースはNGです。あれでOKという場面が考え付きません。
楽器の中に入れている小物の動き
楽器の中に入れている小物、オイルやグリース。
こういったものが中でぶつかるなら、ちゃんと袋に入れておかないと、内部の犯行が行われる可能性があります。
理想としては楽器を入れる部分とそういった小物は別に入れられるものがお勧めです。例えばケースの中は楽器だけ、外のポケットに小物を入れるなど。もれると大変ですしね。
そのほかのダメージ
これは、持ち運び以外の部分もありますが。
特に、たまにしか吹かない方で、忙しい方はあまり気密性が高すぎるものを選ぶと湿気でカビが生えます(^-^;
また、中古トランペットを買った場合にありがちですが、楽器はしっかりしていてもケースが…なことがあります。なにより取っ手の金具をちゃんとチェックしてください。
特に古い純正ケースに多い、両端が金具で真ん中がレザーっぽい素材のもち手がついているものは、金具が内部で腐食していて、ずるっと取っ手が取れることがあります。
じゃあ何がお勧めなの
私としては、純正ケースは「結構中で動く」「変に豪華な雰囲気の記事ができていて、楽器から出た水分でカビやすい」「ストラップが大体ついてない」のでおすすめしません。
おすすめなのは、主に社外品になりますが
- 楽器の形に穴があけてあって、確実に動かない
- 金具部分がしっかりした(金具ではなくプラスチックは完全NG)肩がけストラップ
- 譜面を丸めて入れるくらいのサイドポケット
- 5本足スタンドを入れたまま楽器を収納
- 防水素材で覆われている
の条件を一つでも多く満たしているものが良いかと思います。
具体的なメーカーは宣伝になるので避けますが、楽器屋さんに楽器を持っていって実際に比べてみてください。
値段はやっぱり1万5000円くらいからと考えてもらうといいかと。安いのだと、これは名前出しますがSKBがお勧めです。
そしてこれは最後になりますが
「見た目が気に入るかどうか!」
これも大事なのでぜひいろんな店を回ってみてくださいね、ネット通販はやめた方がいいです。実際に見る色とモニタで見る色は違います(^-^
追伸:バックパック式は絶対やめた方がいいです。楽器を見えないところに置くのはとても危険です。ぶつけます。また、合宿などで荷物を積み込んだりで預けることがあるなら、なるべく長方形に近いものがいいです。
また、ケースではなくトランペットの選び方はこちらをご覧下さい。
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